大企業に義務化された正規雇用労働者の中途採用比率の公表

こんにちは、Gene-K(@SmileWork_LAB)です。

常時雇用する労働者が301人以上の企業(中小企業基準法に定められた中小企業以外の企業を大企業としています)は、求職者が容易に閲覧できるかたちで 「直近の3事業年度の各年度について、採用した正規雇用労働者の中途採用比率」 の公表を2021年4月1日から義務化しています。

公表は、おおむね年に1回、公表した日を明らかにし て、インターネットの利用やその他の方法で行います。

厚生労働省は、各企業の働き方や採用状況に関する職場情報を検索・比較できる職場情報総合サイト「しょくばらぼ」での公表を推奨しています。

ところで国は何を目的に中途採用比率の公表を義務化したのでしょうか?

目的は、働き方改革実行計画(平成 29 年3月 28 日 働き方改革実現会議決定)の中にあります。

単線型の日本のキャリアパスでは、ライフステージに合った仕事の仕方を選択しにくい。これに対し、転職が不利にならない柔軟な労働市場や企業慣行を確立すれば、労働者が自分に合った働き方を選択して自らキャリアを設計できるようになり、付加価値の高い産業への転職・再就職を通じて国全体の生産性の向上にもつながる。

労働者の主体的なキャリア形成による職業生活のさらなる充実や再チャレンジが可能となるよう、中途採用に関する環境整備を推進することを目的としているとしています。

大企業の伝統的な新卒一括採用の終身雇用型雇用管理システムではキャリアが停滞し、スピード感が要求されるグルーバルな競争に勝てないので、国全体の生産性向上のため、衰退産業の労働者を付加価値の高い成長産業に移行(国が積極的に転職を推進)しようとするものです。

良くとらえれば、若者を使い捨て・飼い殺しにしているブラック企業から、多様な働き方・雇用環境の整備を積極的に行うホワイト企業へ労働者を移行しつつ、社会悪であるブラック企業を根絶するというものです。

働き方改革による労働基準法改正、同一労働同一賃金、パワハラ防止、有期雇用の無期転換、育児介護休業など、次から次へと政府主体で進める法改正、雇用環境の整備に対応できない企業を淘汰していく。

政府のシナリオはいたって明確です。

労働者視点のポイントは、たとえば厚生労働省の職場情報総合サイト「しょくばらぼ」に必要な情報を公開しているかどうかです。

職場情報総合サイト・しょくばらぼ(厚生労働省)

中途採用比率に限らず「比較されては困る」とネガティブな心理の働く会社は積極的に厚生労働省のサイトに情報掲載しません。

自社のホームページの目立たないところに載せていたりします。

公表すべき情報をどこにも公表していないのは論外です。誰のための情報提供か、何のための情報提供か、そこに対してのアクションで、その会社の本当の姿勢が見えてきます。

そんな視点も大事です。

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