FAQ:「労働法」「労働3法」ってナニ?

こんにちは、Gene-K(@SmileWork_LAB)です。

今回は、労働法について解説します。

労働法ってナニ?

よく「労働法」では・・・とありますが「労働法」という固有の法令は、存在しないのです。

使用者と労働者の対等の立場を保持できるように定められた労働に関するすべての法令をまとめて「労働法」と呼んでいるのです。

働き方改革の推進で、労働者の地位と権利が向上しつつあると言われていますが、それは単に形だけ(骨抜きの「パワハラ防止法」がその典型)です。

労使関係の実態はというと、悲しいかな断然使用者優位のままです。

使用する(雇う)側と使用される(雇われる)側の格差は依然として大きく、労働者にとって弱い立場であることに大きな変化はありません。

もともとこの立場の違いは、法令でも明らかです。

たとえば労働に関する法令で最も有名で重要な「労働基準法」の第2条第1項で「労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである。」としています。

また、「労働契約法」の第1条では「この法律は、労働者及び使用者の自主的な交渉の下で、労働契約が合意により成立し、又は変更されるという合意の原則その他労働契約に関する基本的事項を定めることにより、合理的な労働条件の決定又は変更が円滑に行われるようにすることを通じて、労働者の保護を図りつつ、個別の労働関係の安定に資することを目的とする。」と立場の弱い労働者保護の重要性を明らかにしています。

さらに同法の第3条の第1項では「労働契約は、労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきものとする。」と労働基準法に定める内容と同じようにあえて規定しています。

雇主である使用者と雇われる側の労働者の主従関係が決まっていることを前提に、労働に関する法令がつくられているのです。

「雇ってあげる」「嫌だったら辞めれば」

そんな発想の使用者(経営トップや役員、管理監督者)がふつうに存在するため、労働法で厳格に規定しているのです。

ちなみに労働法が適用される労働者とは、正社員、契約社員、パート・アルバイト、派遣社員など雇用の形態や働き方を問わず、労務の代償として賃金(給料)を受ける人のすべてです(法令によって細かな範囲の違いはありますが)。

労働3法ってナニ?

労働問題の複雑・多様化に合わせて労働に関する法令も増加し複雑化してきていますが、その中心にある重要な法令が3つあります。

①労働基準法、②労働組合法、③労働関係調整法の3つで、これらを総称して「労働3法」と呼んでいます。

①労働基準法は、日本国憲法第27条に基づき労働条件の最低基準を定めた法律です。

ということは、労働基準法違反の使用者は日本国憲法にも反しているということです。

日本国憲法 第27条
1 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
2 賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。
3 児童は、これを酷使してはならない。

② 労働組合法は、労使間の対等の立場を実現するために、使用者と労働組合との団体交渉等集団的労使関係に関するルールを定めた法律です。

その立場の違いから、労働者一人ひとりでは使用者の言いなり(不利益)になってしまうので、労働者保護のため労働者の団結を法律で権利として認めたわけです。

こちらも日本国憲法に根拠規定が存在します。

日本国憲法 第28条
勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。

③労働関係調整法は、労働争議を予防し、または労働争議を解決するための調整等を定めた法律です。

昭和の時代には大規模な争議行為(ストライキ、ロックアウト)が珍しくなく、それによって社会生活に影響を与えるような場合は、労働委員会による裁定を行うことを規定しています。

①・②に比べるとぐっと馴染みが薄くなってきていますが、秩序ある社会生活のためにとても大事な法律なんです。

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