
こんにちは、Gene-K(@SmileWork_LAB)です。
4月は年度のはじまりを迎える企業も多く、この時期に、昇進や昇格、職場の変更など、広く人事異動が行われる時期でもあります。
まるで、学生の頃のような、“担任が変わる、クラスが変わる” のような、なんだかドキドキ、ワクワク、ビクビク⁈ みたいに。
職場の雰囲気も、なんだかいつもとは違う緊張感に包まれたりと。
そして、いつの時代もよく耳にするのが「なぜ、あの人が?」というフレーズです。
「なぜ、あの人が役員なの?」
「なぜ、あの人が部長なの? 」
「なぜ、あの人が○○なの? 」
「なぜ、あの人は昇進しないの? どう考えても、AさんよりBさんの方が適任なのになぜ?」
誰もが思う適任な人事もあれば、周囲から戸惑いや不満(不安)の声が聞こえる予想外(不適任では?)な人事異動もあります。
かつて、終身雇用・年功序列型の人事制度が当たり前であった時代は、上の世代から順に役職に昇進昇格することが普通であり、いつかは自分もその恩恵を享受することが約束されているがゆえに、たとえ先述のような不満があっても暗黙知(誰も何も言わない)というのが職場の文化でした。
しかし、実力主義や能力主義など、成果主義へと移行した昨今の人事システムにおいては、その成果のとらえ方の違いにより、社員の目から見た予想外の人事、意外な人事は、起きて当然なのかもしれません。
企業経営幹部層である、役員や管理職への登用についてはとくに顕著でしょう。
まず、ここをしっかり分析し読み解くと、自分の会社がどういう人材を求め、どういう人材を高く評価し、どう処遇するのか、経営トップが期待する “成果の定義” と“方針” が見えてきます。
例えば、部下の面倒見は悪いけど、顧客からの評判はすごく良く、確実に数字を出すタイプ。
このタイプは、部下からの評判は良くありませんが、経営トップからは一定の評価を得ます。
反対に、部下の面倒見は良く、部下からの評判はすごく高いが、目標の数字(成果)を出せないタイプは、経営層からの信頼は低くなりがちです。
一方で社員は、業績主義・実績主義の上司よりも「この上司のもとなら安心して働ける、この上司となら大変な仕事でも頑張れる!」が職場評価のポイントになってきています。
よく言われる「心理的安全性」のある職場です。若手社員の理想とする上司についてのランキングを見ても、ハッキリその傾向が見られます。
マズローの欲求の5段階説でいう、自己実現よりも、まずは「安全と安心」そして「信頼と承認」の欲求によるものです。

管理職の仕事は、①部下の育成と②組織業績の向上の両立だと言われます。
理想は、バランスよくどちらにも満足な成果を出し続けることですが、それは簡単なことではありません。
企業経営を短期にとらえる経営幹部層は、業績(数値)に主眼を置いて評価し、長期的な視点で企業経営を考えている経営層は人材育成に重きを置きます。
自分自身の評価(保身)にこだわる経営幹部層は、業績に意識が集中しています。
業績向上は、社員の満足度(働きがい・生きがい)が大きく影響すると考える経営幹部層は、社員の気持ち(感情)を大事にします。
ただ数字だけで仕事をし、部下の面倒見(育成)を疎かにしているタイプを評価(登用)し続けていくと、いつか企業経営に支障が生じることは当然だと理解しています。
実際、「顧客主義だ! 社員が財産だ! と言ってはいるけど、結局は、数字さえ出せばいいんだよね、が合言葉の組織は、職場でのOJTが機能していない、サポートし合う風土がない、若手の早期退職者が増加している、という傾向があります。
人事施策は社員に対する重要かつ強力なメッセージです。
良いにしろ悪いにしろ、経営者の思いがしっかり伝わります。
企業経営にとって人事施策は、すべての根幹をなすものです。
優れた企業ほど、人事施策を大切に、慎重に、戦略的に行います。
人は感情で動きます。
会社や仕事に対するエンゲージメント(愛着、思い入れ)といった、働く人の意識や感情が、個人の成長と働きがいに大きく影響し、それがそのまま組織の価値を高め、業績へと繋がる時代です。
多様性が尊重される社会へ大きく進化しています。
そこには、多様な人の数だけ感情が存在すると考えなくてはなりません。
企業経営において、働く人の感情は無視することのできない時代です。
また、これまでと同じビジネスが通用しにくい不透明な社会環境(VUCA)におかれています。
予測が難しい時代だからこそ、経営幹部層の力量が問われるわけで、そこに抜擢(選抜)人事の適正化が求めらるという当たり前の理論。
単純明快です。
誰が見ても不適切な人事は、信用と信頼関係の崩壊により、会社の屋台骨を蝕んでいきます。
働く人にとって大事なことは、自分の会社で起きていることをよく見て分析し、未来を予測すること。
働きながらの会社研究が必要な時代です。
むしろ、これからの時代、入社前より入社後の定期的な会社研究の方がはるかに重要だと思います。