
こんにちは、Gene-K(@SmileWork_LAB)です。
今回は、採用選考と人権についての話。
実はとても大事な話なのです。
新卒も転職も区別なく。
例年9月から高校卒業者の就職採用選考がスタートします。(企業による選考開始及び採用内定開始は9月中旬頃に。)
高校卒業者の就職試験は未成年者ということもあり、大学卒者の就活とは大きくルールが異なり、ハローワークの管轄の元で厳格に行われています。
そして、高校卒業者の選考前には、厚生労働省から「公正な採用選考について」が企業などに周知徹底されています。
この「公正な採用選考」は、大学・専門学校などの新卒者はもちろん、転職者なども含めた、あらゆる採用選考の場面が該当する大事なガイドラインです。
◎公正な採用選考について
高校卒業者の採用に限らず、差別のない人権を尊重した公正な採用を目的とした「公正採用選考人権啓発推進員制度」という制度があります。
◎公正採用選考人権啓発推進員制度について
サイトをご覧いただくとお分かりの通り、採用選考と人権問題は密接な関係にあるのです。
これは、雇う側にとって「知らなかった!」では済まされない、人事における基本中の基本のルールです。
選考において「企業がしてはいけないこと!」を具体的に明記した「公正な採用選考チェックポイント」は、以下のとおりです。
◎公正な採用選考チェックポイント
公正な採用選考チェックポイント|厚生労働省
◎採用選考時に配慮すべき事項(抜粋)
適性と能力に関係がない事項を応募用紙等に記載させたり面接で尋ねて把握することは、就職差別につながるおそれがあります。
<本人に責任のない事項の把握>
・本籍・出生地に関すること (注:「戸籍謄(抄)本」や本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることはこれに該当します)
・家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)(注:家族の仕事の有無・職種・勤務先などや家族構成はこれに該当します)
・住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など)
・生活環境、家庭環境などに関すること
<本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)の把握>
・宗教に関すること
・支持政党に関すること
・人生観、生活信条に関すること
・尊敬する人物に関すること
・思想に関すること
・労働組合に関する情報(加入状況や活動歴など)、学生運動など社会運動に関すること
・購読新聞、雑誌、愛読書などに関すること
いかがでしょうか? 就活中に「コレ、あったな〜」という方、「えっ!答える必要はなかったんだ」と面接時の質問やESの質問項目に違和感を感じていた方もいらっしゃるのでは?
能力や適性といった、本来仕事には関係ないことで評価されているとしたら… 悲しいことですね。
そもそも、こうしたことに意識のない企業は大問題ですし、知っていてやってるところには問題外です。
人権を無視し、公正な採用選考ができていないというのは、ブラック企業の典型でもあります。
労働法令以前に、日本国憲法に違反しているわけですから。
日本国憲法・第十四条
すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
採用選考の場だけでなく、OB・OG訪問など先輩社員との面談や、人事との懇談の場であっても同じです。(面接では聞けないことを、先輩社員などに雑談的に聞かせるのは、むしろ悪意しかないですね)
ポイントは、ひとりの人間として、人権を尊重した態度対応ができる企業なのかどうか。
そういったところで、人を使い捨てにするブラック企業なのか、本当に人を大事にする企業なのかを見極めることもできるのです。