知っておきたい「面接(試験)の基本」

こんにちは、Gene-K(@SmileWork_LAB)です。

今回は、企業で長く採用の仕事を行ってきた元人事担当の経験から、面接試験の基本について解説します。

量より質

面接試験は、求職者が言いたいことを言う場ではありません。

面接官が求職者について聞きたいことを聞く場です。

当たり前のことですが、この当たり前を理解できず、もしくは、理解しているつもりでも行動が伴っていない方がいます。

・一生懸命に話しているけど話が長く、結局、何が言いたかったのかよく分からない人
・熱意は伝わるが、話が一方通行で、こちらが聞いてもいないことを話す人
・聞いたことについて答えてくれず、自分が言いたいことへと話を勝手にすり変えてしまう人

 などなど

しゃべらない人の評価が難いのと同じぐらい、聞いてもいないことをしゃべる人、しゃべり過ぎる人、自分の言いたいことばかりしゃべる人、結局何が言いたかったのかが分からない人・・・の評価が困難です。

評価が難しい場合、どちらもマイナスの印象になってしまいがち。

これは、何をもってコミュニケーション能力が高いのか、その定義の相違から起き得てしまいます。

思ったことをしゃべっていてはいけない。

よく考えてから、物をしゃべるべきだ。

キケロ

例えば、求職者によく見られるのが、たくさん話すことができる人、長く話すことができる人、詳しく話すことができる人を「コミュニケーション能力が高い人」だという勘違い。

会話に間(ま)を空けることなく、常に会話が続いている状態を優れたコミュニケーションだと思っていたりします。そして、会話の間を「魔」と恐れ、ちょっとした沈黙に耐えられず、話の終わりのタイミングがつかめず、アレコレと話の補足に補足を重ね、結果、自分でも何が言いたいのか分からず、堂々めぐり。

これは、面接試験の場に限らず、会話で失敗する人のひとつの例でもあります。

コミュニケーション能力=発信能力の高さ、という思い込みから生じるエラーです。

コミュニケーションの基本は、会話の量よりも質を大事にすること。聞かれたことに対し、たくさんしゃべるのではなく、相手が知りたいことにきちんと答えているかどうかです。

賢い人にはひと言で足りる。ことばは、多くてもその要はなさない。

ベンジャミン・フランクリン

話し上手は聞き上手

面接試験では、コミュニケーションの基本である「聞く」ことがきちんとできているかどうかで明暗が分かれてしまいます。

面接試験が自己満足的にならず、相手の満足を効果的に高めるには、まず相手の知りたいことをきちんとキャッチ・アップすることが重要です。

情報をしっかり受信する力です。

よく言われる「話し上手は聞き上手」です。

まず、相手の発した言葉の細部にまで集中します。

例えば「○○について、詳しく教えてください」「○○について、簡潔に教えてください」とでは、相手の質問の意図するところと要求は異なります

詳しくと言っているのに簡単であったり、簡潔と言っているのにダラダラと話されると、受け手の評価は大きく変わります。

これは、面接質問でよくある「○○について、△分以内で説明してください」というのもそうです。

この場合、限られた時間の中で、いかに分かりやすく、筋道立てて説明できるかという部分も評価の対象になります。

コミュニケーションのポイントは、まず「聞く」ことにあります。

話すことに自信がなければ無理して話さず、聞くことに集中しましょう。

そして、ここ!という場面で、ひと言でも簡単にでもいいから自分の意見を述べます。

また、わかった、わからないの反応も大事です。

分かったら、うなずく、相づちを打つ。

分からなければ臆せずに聞く。

自分の理解が怪しければ確認する。

これは、円滑なコミュニケーションの基本であり、仕事の基本でもあります。

聞き上手は一つの技術である。

エピクテトス

どう伝えるか

面接試験では「何を話そう」と内容にばかり意識がいきがちですが、まず大事なことは「何を」伝えるかよりも「どのように」伝えるかです。

面接試験では、まず相手の言うことを細部まできちんと聞くところから始まります。

そして、聞かれたことについて、自分なりの意見や考えをどのように伝えるか、その「伝え方」が重要です。

「PREP法」という伝え方

これは、自分の言いたいことを相手に分かりやすく伝える代表的な手法であり、ビジネス・コミュニケーションの基本とされています。

話の内容を論理的に整理し、4段階に構成することがポイントです。

PREP法

Point(結論・ポイント)
Reason(理由)
Example(具体例)
Point(結論・ポイント)

面接官
面接官

「○○について、どう思いますか?」

求職者
求職者

P「私は・・・・だと思います」
R「なぜなら・・・・だからです」
E「そのように思う具体例として・・・・があります」
P「したがって、私は・・・・だと思います」

同じ内容でも、このように論理立てて話すことで、説得力のある話し方になります。

結論を最初と最後に2度言うことで、伝えたい大事なポイントが強調できます。

また、聞く側の理解も格段に高まります。

『何もかも伝えたいは、何も伝わりません』

相手の知りたいことを、相手の立場に立って伝えることもコミュニケーションの基本です。

論理的(ロジカル)コミュニケーションの基本でもあります。

また、対面の面接、オンラインによる面接など方法の違いはあっても、基本は同じです。

FAQ:面接試験の目的って?

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