50代も約4割が転職を考えている⁈「就業者の転職や価値観等に関する実態調査2022」から読み取れる大事なこと

こんにちは、Gene-K(@SmileWork_LAB)です。

望む望まないとは異なる次元で「働くこと」を含めた生活環境が日々変化している中、働く人たちの志向性もひと昔前とは変わりつつあるようです。

たとえば、株式会社リクルートが実施した「就業者の転職や価値観等に関する実態調査2022」によると

両極化する転職経験。

50代も約4割が転職を考えている。

転職先が決まる前に前職を退職している人は4割以上。

引用:株式会社リクルート

と報告されています。

もはや、幅広い世代で「なるべく一つの企業で長く定年まで勤めあげる!」という、かつては常識であり美徳とされていた日本型旧式のキャリア志向は崩壊しつつあり、かつての非常識が新たな常識へと置き換わりつつあるようです。

人生100年時代と言われる今の時代、働く人の勤続年数よりも企業の寿命(成長期間)が短くなってきています。また、政府が強力に推進する「新しい資本主義」の実現に向け、成長分野へ積極的に労働移動(転職・起業等)を目論むなど、雇用を取り巻く様々な環境の変化が、働く人のキャリアについての考え方をさらに変えていくことになるでしょう。

この実態調査をもう少し詳しく見ておきます。

両極化する転職経験

〇 転職経験者の割合は20代ですでに4割弱を、そして30代で半数を超えている。

40代、50代では6割弱と安定しているので、日本の正社員では40歳くらいまでに転職活動を終え、おおむね6割程度が転職を経験してきたと要約できる。

引用:株式会社リクルート

産業や個別企業によっても状況は異なるでしょうが、今や転職経験者は30代で半数を超えているのです。

20代で4割弱ということは、入社後、働きながら早い段階で将来のキャリアを考えているのが実際でしょう。(残念ながら、入社した先がブラック企業で早期退職された方も一定数含まれているでしょうが…)

入社3年以内の転職。いまの時代、石の上にも3年って? 

転職活動すらしたことがない割合は、40代、50代でも3割強と根強く安定している一方、転職経験者は転職を重ねる傾向がある。

転職活動を全くしてこなかったおよそ36%と比較しても遜色ない。日本の転職市場は両極化してきている可能性がある。

引用:株式会社リクルート

近ごろは、エンゲージメント経営、社内での学び直しや社内ベンチャー、健康経営、多様な働き方に関する制度の導入など、優秀人材の定着のために企業も様々な施策に必死に取り組んでいます。

でも、その反面、誰もが憧れる有名企業や働きがいのある企業ランキングの上位企業などで働いていても、自身のキャリア形成のために躊躇なく転職することも珍しくありません。大企業だけでなく中小企業であってもそれは同じです。こうした価値観の違いによる転職は、若い世代で特に顕著です。

まず、なによりも避けるべきは、どこからも必要とされない人材となってしまい、転職したくても転職できず、にっちもさっちもいかないまま、40代・50代に到達してしまうことです。

できるだけ早期に身につけておきたい「ハードスキルとソフトスキル」

これからの時代は、それがたとえ大企業・有名企業であっても「雇ってもらう」のではなく、勤め先から「この人にを雇い続けたい!」と評価されること。働く側に主導権を持つ人材であり続けることが重要です。

その結果で、長くひとつ勤め先で働く選択もあるでしょうし、必要であれば転職でキャリア形成をし続けることもあるかと思います。

ポイントは、勤め先に依存しないキャリアの自立です。

50代も約4割が転職を考える

現在の法律では定年は60歳を下まわることはできません。そして、多くの企業は60歳定年制度を導入し、定年退職後に希望する者を65歳まで再雇用するという制度を導入しています。

60歳の定年後に年金給付が行われた時代は、60歳まで無難に勤めあげ、しっかりと退職金をもらい、60歳からは悠々自適なシニアライフがひとつの目標であり、その当時、50代で転職を考えることは特別な事情のごく稀な人たちでした。

しかし現在は、60歳定年は変わらず、でも年金支給開始は65歳から。政府はさらに70歳までの就業を確保するよう企業に要求(努力義務)しています。現に働く当人たちからすると、50歳からさらに20年働かないと年金給付すらどうなるかも分からない不確実で不安な時代です。

とは言え、慢性的な人材不足が続く状況下、能力と意欲があれば年齢を問わず高齢者を戦力化する企業も増えており、そうしたところではすでに定年を65歳まで、さらには定年の廃止へと移行してきています。

となると、現在の勤め先の定年後の仕事や役割、処遇と自身のキャリア、将来のワークとライフのあり方などをまじめに考えれば、「ここに居てはダメだ!」「ここで頑張るべきだ!」という判断は、50代であれば容易なことかと思います。

さらには、50代からでは遅いかもと、40代・30代・20代から将来のキャリアと処遇(ライフのあり方)を考え、エージェントなどに登録するなどし、転職支援のサポートを受けている人も珍しくないようです。いざという時にタイミングを逃すことのないように。

また、エージェントのコンサルティングを受けることで、自身のスキルやキャリアを客観的に評価・分析してもらえます。労働市場の中での自分の価値を知ることはとても大事なことです。

人生100年と言われ、年齢に関係なく長く働くことを前提に年金を含めた社会保障制度のあり方を政府は議論しています。そうした時代背景の中で「働く」を考えると「年齢等に関係なく活躍することができるのか?」「働きに見合った処遇がされるのか?」は、就職・転職をするうえで非常に重要な要素になります。

人を大切にする会社か?見極めのヒントとコツ 〜高年齢者確保措置について ①雇用のリスク〜

その結果、すでに50代の約4割が転職を考えている(=今の勤め先では将来が不安)とも見ることができます。このままここで20年我慢するのではなく、年齢に関係なく必要な人材と評価・処遇されるところ(働きがいのあるところ)で、生き生きと働き続けたいと・・・

転職先が決まる前に前職を退職している人は4割以上

かつては在職中に転職先を探し、転職先での内定後に離職し、無就業期間の生じないよう退職日の翌日に転職先に入社するのが一般的な転職活動でした。もちろん、まだそうした考え方は一部定説ではありますが、確かに近ごろは、退職後に転職活動される方も多く見られるようになりました。

在職中に他社から内定をもらえたが慢性的な人手不足・多忙さから、勤め先からの退職慰留が強烈すぎて内定先の入社時期に間に合わずやむなく内定辞退となってしまったり、在職中の転職活動には時間的な制約があり、なかなか選考に参加できない(何日も有給休暇が取得できない)など理由はいろいろでしょう。

また、以前とは違い、在職中の求職者を、すでに離職している求職者よりも高く評価するという変な色眼鏡で人を見る人事担当が減ってきたのではないかとも思います。次の勤め先が決まってもいないのに退職するのは何かしらよからぬ人物ではなどと。

本来、離職後に失業中の生活を心配せず新しい仕事を探し、再就職できることを目的に雇用保険の失業等給付があるわけですから、自己都合による転職の場合も、給付までの待期期間を設けることなく、求職活動中に生活に必要な給付が受けられるようにすることがセーフティーネットとして最低必要なシステムではないかと常々思います。少なくとも雇用保険に加入している間は、労働者本人も雇用保険料を納付しているわけですので。(余談ですが)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です