会社の見方:成長する企業・衰退する企業の人的資本経営の違い

こんにちは、Gene-K(@SmileWork_LAB)です。

近年、企業の人的資本経営が企業の成長において非常に重要視されるようになってきました。人的資本経営とは、従業員の知識、スキル、経験、モチベーション、コミュニケーション力、創造性など、企業が持つ人材資源を最大限に活用し、競争力を高めるための経営戦略のことです。

ここでは、人的資本経営に着目した成長する企業と衰退する企業の違いについて考えてみたいと思います。

人的資本経営に対する考え方

まず、成長する企業と衰退する企業では、人的資本経営に対する考え方が大きく異なります。

成長する企業は、従業員のスキルアップやキャリアアップを積極的に支援し、従業員の成長につながるような環境を整えています。これを、将来に向けた投資と考えて取り組んでいます。

衰退する企業は、従業員の教育や育成にかかる費用をコストと考えています。利益が優先しコストカットの対象にされます。当然、新しい技術や知識を取り入れることができず、成長の機会を逸してしまいます。するとさらに利益が減りコストカット… という負のループに陥ります。

成長する企業は、従業員のスキルや知識を最大限に活かすことができ、競争力を高めることができます。

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エンゲージメントに対する取り組み

成長する企業と衰退する企業では、従業員のエンゲージメントに対する取り組みが異なります。

エンゲージメントとは、従業員が自発的に仕事に取り組む姿勢や、企業に対する愛着や熱意のことです。
成長する企業は、従業員がビジョンや目標に共感できるような環境を整備し、コミュニケーションを改善することで、従業員のエンゲージメントを高めています。職場に一体感をもたらしています。

衰退する企業は、ビジョンや目標が共有されておらず、共感も協働も欠乏しています。また、そのような場合、多くはワンマンな経営スタイルが多く、従業員の意見やアイデアを聞くこともなく、従業員からは言うだけムダ、というコミュニケーション不全が蔓延します。当然、従業員のエンゲージメントは低下します。不祥事が起きやすい職場の特徴でもあります。不祥事が起きた際の会見で、経営陣や上司が知りませんでしたというのは典型です。

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ウェルビーイングに対する取り組み

成長する企業と衰退する企業では、従業員のウェルビーイングに対する取り組みが異なります。

ウェルビーイングとは、従業員の心身の健康や幸福感に関する状態のことであり、企業が従業員の健康やストレス対策、ワークライフバランスの改善などに取り組むことで、従業員の生産性やモチベーションを高めることができます。

成長する企業は、従業員のウェルビーイングに対する取り組みが積極的であり、健康診断や健康管理、ストレスチェック、休暇制度の充実など、従業員の健康管理を徹底しています。また、柔軟な労働時間制度や在宅勤務など、ワークライフバランスの改善にも力を入れています。

衰退する企業は、従業員のウェルビーイングに対する取り組みに興味関心が低いです。そもそも従業員の健康管理は本人の問題であり、健康的に働くことは雇用契約における従業員員の義務であると考えています。このような企業の経営陣は、業務上のケガや病気といった労働災害(労災)が生じた際も、従業員本人の問題と責任と考える労務リテラシーが極めて低いことも珍しくありません。

衰退する企業は、健康管理やストレス対策についての対策が不十分どころか、従業員に対して過剰な仕事量や無理な業務が課せられている場合があり、ワークライフバランスが悪化しています。

これらのことからも成長する企業と衰退する企業では、人的資本経営に対する考え方と取り組みが大きく異なることがわかります。

また、自社の従業員のモチベーションやエンゲージメントが低い、生産性が低いと嘆いている経営陣の多くは、人的資本に対する基本的な考え方が乏しく、人材よりも数字に対する興味が強すぎる傾向があります。

特に、多様な人材、多様な働き方が当たり前になりつつある今、VUCAとされる先行き不透明な時代の企業経営においては、人的資本経営の必要性を重視し、従業員のスキルアップやキャリアアップ、エンゲージメントの向上、ウェルビーイングの充実など、従業員の成長をサポートする環境を整備することが、企業の安定と成長、競争力を高める上で非常に重要とされています。

また、幸福感を感じる従業員が多く、ワークライフバランスが取れた職場環境は、従業員のストレスや疲労感が軽減され、生産性や創造力が高まるとされています。このような点においてもウェルビーイングの向上は、企業のさらなる成長に直結する重要な要素であるといえます。

ただし、ウェルビーイングに取り組むためには、人的資本経営の観点から、従業員のスキルアップやキャリアアップ、エンゲージメントの向上など、従業員の成長を支援する取り組みも必要となります。従業員が成長することで、自己実現や自己肯定感が高まり、幸福感やワークライフバランスの改善につながると考えられます。

さらに、エンゲージメントの向上は、ウェルビーイングや人的資本経営にも密接に関係しています。エンゲージメントとは、従業員が仕事に対して熱意を持ち、自己実現や自己成長を感じながら働くことです。従業員エンゲージメントが高まることで、生産性や品質が向上すること、組織が活性化することが期待されています。そのため、企業はエンゲージメントの向上を図り、従業員の成長やウェルビーイングを支援する環境を整備することが、人的資本経営の観点から重要であることがわかります。

以上から、人的資本経営、エンゲージメント、ウェルビーイングといった要素が密接に関連しており、これらの要素を総合的に考慮しながら、従業員の成長を支援し、生産性や競争力を高める環境を整備することが、企業の成長や存続に不可欠であるといえます。

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