「心理的安全性」に問題のある職場とは? 〜 会社の見方 〜

こんにちは、Gene-K(@SmileWork_LAB)です。

今回は、働くうえで最も重要とされている心理的安全性」と「問題のある職場の見極め方についてお話します。

心理的安全性とは

近ごろよく耳にする「心理的安全性」とは、一体何でしょうか?

心理的安全性とは、個人が自分自身を表現し、意見を述べ、感情を共有することができ、それらが尊重され、受け入れられる状態であると定義されています。

つまり、心理的安全性の高い環境では、人々は自分自身を自由に表現でき、その表現が恥ずかしい、非難される、拒絶されることはなく、代わりに受け入れられることが保証されます。

このように、心理的安全性は、職場や学校、家庭などの人間関係の中で重要な役割を果たします。

心理的安全性が高い環境では、個人は自己開示やチームワークに積極的に参加する傾向があり、意見や提案を行い、意見の相違に対して開かれた対話を行うことができます。一方、心理的安全性が低い環境では、個人は自己開示に抵抗し、意見することを躊躇する傾向があり、協力的なチームワークが阻害される可能性があります。

マズローの欲求の5段階説でいう「安全で健康的な生活の実現を求める」ことの重要性です。

人間の欲求の仕組み「マズローの欲求の5段階説」

最近では、心理的安全性が高い環境を作り出すことが、職場だけでなく、学校、家庭などにおいて重要な課題とされ、そのための取り組みが進められています。チームワークで高いパフォーマンスと結果が要求されるスポーツの世界でも同様です。

心理的安全性に問題のある職場の兆候

心理的安全性の低い職場では、従業員が自分の意見や感情を自由に表明できず、恐怖、不安、常に疑問を持っていることがあります。

心理的安全性に問題のある職場を見極めるためのいくつかの兆候について考えてみます。

◎ コミュニケーションの不足
管理職や上司、同僚等とのコミュニケーションが不十分で、情報共有がうまくいかない場合は、従業員が不安や緊張を感じ、心理的安全性に問題を感じることがあります。

◎ ハラスメント
職場でのいじめや嫌がらせ、性的な言動や暴力など、精神的に不安定になるような状況に置かれることがある場合は、従業員の心理的安全性に影響を与える可能性が高くなります。

◎ 批判的な反応
従業員がアイデアや提案を出した場合に、管理職や上司、同僚等から批判的な意見や反応ばかりが目立つ場合は、心理的安全性に問題がある可能性があります。

◎ 自己表現の制限
従業員が自分の考えや感情を自発的に表明することができない環境・風土の場合、心理的安全性に問題がある可能性があります。

◎ 組織文化
組織の文化が極端に競争的で、失敗が許容されず、達成感のみを強調する場合、従業員が不安や緊張を感じやすくなります。

一例ですが、これらの兆候が見られる場合は、心理的安全性に問題が生じる(生じている)可能性があります。

心理的安全性を考慮した経営

心理的安全性を考慮した経営とは、従業員が自分自身を表現し、意見を述べ、感情を共有することができる環境を作ることを重視する経営のことを指します。心理的安全性が高い環境では、従業員が自分の意見やアイデアを自由に出し、その意見が尊重されることで、従業員の意欲(モチベーション)や生産性を向上させることができます。

心理的安全性を考慮した経営には、以下のような特徴があります。

◎ フィードバックの提供
上司や同僚等からのフィードバックを頻繁に行い、個人の成長を促すことが重視されます。

◎ エンパワーメント
従業員に、自分自身で問題を解決する力を与え、責任を持たせることが重視されます。

◎ チームワークの強化
協力的なチームワークを促進することで、従業員の自己表現が促進される環境を作ることが重視されます。

◎ オープンなコミュニケーション
意見やアイデアを自由に出し合えるコミュニケーションの環境を作ることが重視されます。

◎ トレーニングと開発
従業員のスキルアップや成長に必要なトレーニングや開発プログラムを提供することが重視されます。

心理的安全性を考慮した経営は、組織や従業員の生産性や効率性を向上させるだけでなく、従業員のモチベーションや幸福感(エンゲージメント)を高め、組織の持続的な成長につながるとされています。

心理的安全性に関心のない経営陣の特徴

心理的安全性に関心のない経営陣(役員・管理職等)には、以下のような特徴がある場合があります。

◎ コマンド&コントロール型のマネジメントスタイル
従業員に対して命令を与え、管理することに重点を置き、自己表現や意見の共有を促すことに興味がない場合があります。

◎ 従業員の意見を無視する
従業員の意見やアイデアを聞かず、採用しないことが多く、自分たちの考えがすべてだと思っている傾向があります。

◎ マイクロマネジメント
細かい指示を与え、従業員の判断を制限する傾向があります。従業員に自分自身を表現する自由を与えず、クリエイティブなアプローチを取ることを防ぐことがあります。

◎ 成果主義のみに注目
従業員の感情や精神的健康を考慮せず、結果だけを求める傾向があります。従業員を成果(数字)だけで評価し、人的資源を単なるリソースとして扱う(使い捨て)ことがあります。

◎ コミュニケーション不足
コミュニケーションの重要性を理解しておらず、従業員との対話や議論を避ける傾向があります。従業員に対してオープンな環境を作ることに関心がなく、不適切な言動をとることがあります。

心理的安全性に関心のない経営陣は、従業員の生産性や効率性を向上させることができないだけでなく、従業員のモチベーションや幸福感(エンゲージメント)を低下させ、離職率を高める可能性があります。

心理的安全性を重視することが、持続的な成長や従業員の幸福感を促進するためには必要不可欠であることは企業経営において常識となっています。また、コンプライアンス経営と密接に関係します。

会社の見方:成長する企業・衰退する企業のコンプライアンス意識

心理的安全性に関心のない役員や上司との付き合い方

残念ながら心理的安全性に関心のない役員や上司等が居た場合、組織人としてどのように付き合えばいいのでしょうか。

付き合い方として、例えば以下のような点に留意することが重要です。

◎ 自分自身を守る
心理的安全性が欠如している組織では、まず何よりも自分自身を守ることが必要です。従業員が自分の感情や意見を表明する際に、相手側から理不尽な怒りや反感を受ける可能性(ハラスメント等)があるため、自己防衛のメカニズム(危険察知能力と知識)を持つことが重要です。

◎ 非難や批判に対する対処方法を考える
心理的安全性の欠如がみられる場合、上司等からの一方的な批判や非難が多くなる傾向があります。このような場合には、批判や非難に対する対処方法を考えておくことが必要です。自分自身の言葉や行動を冷静に見つめ、相手の言葉に反応しすぎないように注意しましょう。

◎ コミュニケーションを改善する
上司などのコミュニケーションを改善することが、心理的安全性を向上させるために重要です。まずは相手の立場や考え方を理解し、自分自身の意見や提案を明確に伝えることが大切です。また、相手と対話し、共通の目標に向かって協力することが必要です。自分の言動を変えてみることで、相手の感情が変わる場合もあります。

◎ サポートを求める
心理的安全性が欠如している組織では、ストレスやプレッシャーを感じやすく、自分自身が追い詰められたような感覚に陥ることがあります。このような場合には、信頼できる同僚や専門家、カウンセリング(体調が悪ければ専門医)などのサポートを求めることが大切です。

◎ 組織を変える
最終的には、心理的安全性が欠如している組織を変えるために、自分自身が率先して取り組むことが必要です。組織の改革を求めるためには、上司や役員等とのコミュニケーションを改善すること、他の従業員(労働組合があれば労働組合)と協力して問題を解決すること、改善案を提案することなどが必要です。それでも変わらない場合や、さらなる問題に発展しそうな場合、自分自身が潰れてしまう前に発展的な転職を検討することも重要です。

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