
こんにちは、Gene-K(@SmileWork_LAB)です。
男子求む。至難の旅。
僅かな報酬、極寒、暗黒の長い日々、絶えざる危険、生還の保証無し。
成功の暁には、名誉と賞賛を得る。
これは、1910年代にロンドンの新聞に掲載されたアイルランド生まれの探検家アーネスト・シャクルトン氏が、南極探検隊員募集のために行なった広告です。
求人や採用、広報の仕事に関わる方であれば、一度は見聞きしたことがあるのではないでしょうか。
今の時代ですと、超絶ブラック!な仕事(均等法・最低賃金・安全配慮義務違反)で、炎上間違いなし!ですが、この募集に対してなんと!5,000人もの男性が応募したというな話です。
人間の欲求は、生きたい(整理的欲求)→ 安心・安定した生活がしたい(安全欲求)→ 社会に関わった生き方をしたい(社会的欲求)→ 周囲から認められたい、尊敬されたい(承認要求)→ ありたい自分の姿に到達したい(自己実現欲求)と、その階層の欲求が充たされると次の階層の欲求を充したくなるという「マズローの欲求の五段階説」が広く知られています。

しかしです。
この広告は、マズローの説を超越し「人は、高次の欲求を充たすために、リスクを恐れない行動を選択することもある」ということがあるんだということを教えてくれます。
また「嘘偽りなく、誠実に情報を提供することが、互いの利益になる」という採用広報の基本(本来のあるべき姿)を再認識させてくれます。
たとえネガティブなことであっても、それを隠さず明らかにすることで得られる安心と信頼は信用を生み、形式的なやりがいの演出効果をはるかに上回ります。
近ごろの採用広告は、どこも似たり寄ったりで、社名を変えればどこでも通用するような、ありきたりなイメージで訴求するものが目立ちます。
正社員だけでなく、パートやアルバイト、派遣社員の募集もそうですし、インターンシップ、会社説明会などの企画もそうです。
流行りモノを採用トレンドと語り、どこもかしこも同じようなものばかり。
仕事の本質よりも、印象操作で惹きつける強引さも。
「こんなはずじゃなかった…」「だまされた…」といった、求人詐欺という問題が起きても仕方がない状態です。
新卒採用も、中途採用も。
採用広報の基本に基づいて、求人広告のあるべき姿できちんと訴求することは、信頼関係の構築だけでなく、それが他社との差別化に繋がります。
例えば「正直、給料はそんなに高くないです。休みもほどほどです。仕事内容も大変です。楽(ラク)ではありません。でも、この仕事だからこそ、こういう経験と成長が得られます。」というような。
採用ターゲット層への訴求力も高まりますので、むやみやたらに母集団を増やすことなく、共感し、本気度の高い人材を、効率よく集めることができますし。
また、“ミスマッチ” の少ない効果的な採用を行うことにも繋がります。
超・情報時代です。
嘘は必ずバレますし、拡散されます。
嘘ではないにしても、誇大広告による騙された感だって同じです。
情報化時代の広報活動の基本です。