政府が促進する「生成AIの活用」で考えられる影響と、私たち(人間)の役割について

こんにちは、Gene-K(@SmileWork_LAB)です。

先般お伝えした「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂案」について、2023年6月16日に「経済財政運営と改革の基本方針2023」(骨太の方針)、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版」が閣議決定されました。

新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画 2023改訂版案 の概要

決定内容は、首相官邸の公式ホームページに掲載されています。

岸田内閣の基本方針(2023年6月16日)
加速する新しい資本主義 ~未来への投資の拡大と構造的賃上げの実現~
本日取りまとめた政策方針に基づき、今後、予算編成や制度改革の具体化を進め、速やかに実行することにより、国民全体が将来に明るい希望を持てる経済社会を作ってまいります。

首相官邸公式HPより

その説明資料の中には、AIについて政府の基本方針が以下のとおり明記されています。

第2章 新しい資本主義への加速

投資の拡大と経済社会改革の実行

(2)デジタルトランスフォーメーション(DX)、AIへの対応

AI戦略会議における 「AIに関する暫定的な論点整理」 も踏まえ、 「広島AIプロセス」 を始めとする国際的な議論をリードする。 生成AI の開発・提供・利用を促進するためにも、言わばガードレールとして、AIの多様なリスクへの適切な対応を進めるとともに、AIの最適な利用や、計算資源データの整備・拡充などAI開発力の強化を図る

新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版

国民全体が将来に明るい希望を持てる経済社会を作っていくために生成AI の開発・提供・利用を促進する」とハッキリ宣言しています。

今回は、この日本政府が促進する生成AIが、雇用環境、働き方、キャリア形成に与える影響に焦点を当て、さらにAIを正しく活用するために求められる人間としての役割やスキルについて考えてみたいと思います。

1.雇用環境への影響について

生成AIは、テキスト、コード、画像、音楽、ビデオなど、さまざまなクリエイティブなコンテンツを生成する能力を持つ人工知能の一種です。生成AIは、まだ開発の初期段階にありますが、すでにさまざまな分野での使用が始まっています。生成AIにより、人間が現在行っている仕事の多くの作業部分を自動化することが可能とされています。

生成AIが雇用環境に与える影響については、さまざまな意見があります。生成AIの普及により、一部の業務が自動化されることで雇用が減少し、失業率が高まる可能性が指摘されています。しかし、一方では、新たな業務や職種が生まれ、雇用が拡大するという予測もあります。 いずれにしても、AIと人間のコラボレーションが求められる時代になります。

2.働き方への影響

生成AIの登場により、ルーチンワークや単調な業務が自動化されることで、従来の働き方が変化していきます。人間の仕事は、よりクリエイティブな側面にシフトし、問題解決能力や創造性が求められるようになります。

こうした役割の変化により、リモートワークなど柔軟な働き方がさらに増え、労働環境が多様化すると考えられます。ただし、すべての職種や仕事に当てはまるわけではなく、生成AIにより柔軟な働き方が広がる職種や仕事と、従来型の時間と場所が拘束される職種と仕事の2極化がさらに顕著になると予想されます。どちらが正解というわけではなく、個々人のライフとワークに合った働き方を選択できる労働環境の整備が必要になります。

3.働く人のキャリア形成への影響

AIの進化により、一生涯にわたる学習とスキルのアップデートが不可欠になります。単なる職務遂行者ではなく、AIとの共生を図ることが求められるため、自己啓発や継続的な学習が重要です。

AIと協調するスキルや、クリエイティブな解決策の提案、コミュニケーション能力など、AIが補完しづらい人間の特性に注力することがキャリア形成において重要になります。このように、キャリア形成におけるヒューマンスキルの重要度がますます高まると考えられます。

4.AIを正しく活用する上で重要となる、私たち(人間)に求められる役割やスキル

AIの活用により、私たち(人間)には、以下のような役割とスキルが求められると考えられます。

AIの設計と監督:
AIを適切に設計し、倫理的な観点から監督することが必要です。人間の価値観や倫理基準に基づくAIの開発や使用が重要です。

ドメイン知識とAIの融合:
AIは特定の事業領域といったドメインにおいて最大の効果を発揮します。そのため、自身の専門知識とAIの融合を図ることで、AIを活用した問題解決や意思決定に貢献できます。

コミュニケーションと協働能力:
AIとの協働が求められる場面が増えるため、効果的なコミュニケーションと協働能力が重要です。AIとのインタラクションや他の人との協力において、柔軟性と対人スキルを磨くことが必要になります。

今の時代だから必要なコミュニケーション能力

継続的な学習と適応力:
技術の進化が速い時代において、継続的な学習と適応力は不可欠です。新しい技術やツールに対するアンテナの高さと敏感さを持ち、自らが目的と目標をセットし自己啓発に努めることが重要です。

VUCA時代における学びの必要性 〜 人生100年時代を生き抜くチカラ 〜

このように、生成AIの登場は様々な影響をもたらし、それにより、私たち人間には重要な役割とスキルを担うことが求められます。

AIとの共生を図りながら、AIを適切に活用し、より創造的な働き方やキャリア形成を実現するためには、柔軟性、クリエイティブな思考、コミュニケーション能力、継続的な学習と適応力が不可欠です。私たちがAIと協力し、その限界や倫理的な側面を考慮していくことも重要です。

さらに、私たち人間が生成AIに打ち勝つ(優位性を維持する)ためには、次の点に留意する必要があると考えられます。

創造性と感性を高める:
生成型AIは、私たちよりもはるかに早く、正確にテキスト、コード、画像、音楽、ビデオを生成することができます。しかし、生成型AIは、人間のように創造的にコンテンツを生成する能力はありません。私たちは、より創造的で、独自の視点でコンテンツを作成することで、優位性を維持することができます。

豊かな人間性を育む:
生成型AIは、人間と同じように感情を理解したり、反応したりすることは困難です。より豊かな人間的なスキルを身につけ、顧客や職場の仲間たちとより良い人間関係を築くことで、優位性を維持することができます。

生成AIは、私たちの生活全般に大きな影響を与える可能性があります。しかし、私たちが生成AIに負けないための準備をすることで、この変化を前向きに捉えることができます。

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