就活生必見!政府の要請「学生の職業選択の自由を妨げる行為(いわゆるオワハラ等)は行わないこと」について ~ 大事な会社の見方 ~

こんにちは、Gene-K(@SmileWork_LAB)です。

就活生に有利に働く売り手市場を背景に、企業の採用活動は年々早期化しています。当然のことながら早い時期に内定(内々定)出しが増えますので、これに比例してか企業からの「オワハラ」の問題やトラブルが多発しているようです。

内定後に他社の選考を受けられないようにする、または、選考(内定)を辞退するように企業が内定者(内々定者)に圧力をかける手法は以前からあり、珍しいことではなかったのですが、採用活動の一環としての「インターンシップ」の実施によって、その様子が変化してきました。

名ばかりインターンシップによる問題点

本来の「就業体験」を目的にしたインターンシップではなく、採用活動の一環で行われる1日(ワンデイ)や数日のインターンシップの内容は、会社説明や、OB.OG訪問のような先輩社員との座談会、仕事体験と称してのグループワーク、職場見学会といったものが多く、中には1日(ワンデイ)のオンライン・インターンシップという就業体験(職場体験)とは程遠いものまで普通に存在しています。

なぜ、ワンデイ・インターンシップ?

こうした「名ばかりインターンシップ」は、早期に学生に接触し、採用の母集団を早く確保したいという企業側の都合がほとんどです。また、学生にとっても、早期のインターンシップに参加することで、その企業の早期選考に参加できるという特典に期待したり、または、早期インターンシップに参加しないとその企業の選考に参加できない(不参加が選考で不利になってしまう)という不安から、やむなく授業を調整して参加したり… という採用選考を目的に参加している場合もあります。また、例え1日(ワンデイ)の場合であっても、その企業の中で行われる場合は、社員が働いている職場の様子を見ることができる点(会社見学)を参加の目的(メリット)としている学生も多いのも実態です。

名ばかりインターンシップって、どうよ?

広く業界や職種を研究する前に、企業側の都合による早期選考、早期内定となった学生の多くは、内定した後も本人が納得できるまで引き続き就活を続けることは普通のことです。早期内定であればあるほど。

また、VUCAと言われる今の時代、1年後に何が起きるか分からないことばかりです。社会や経済のトレンドが変われば業界も企業も一変してしまいます。また、卒業までの1年間の新たな学びで視野が広がり、興味の対象が変わることもありえます。早期内定のメリットとデメリットをしっかり理解しておくことはとても大事なことです。

よく聞く「VUCA時代」のVUCAってナニ?

早期選考を行う企業にとっての内定辞退は、長期間にわたるこれまでの労力が無駄になってしまう(コスパの悪い)採用活動になってしまうので、それを避けるために容赦なく内定者の就活を遮断してくるわけです。相手の気持ちよりも自社(採用担当)の利益最優先。このような背景から就活を終わらせるハラスメント(オワハラ)が生じてしまうことも。

政府からの要請事項

現在の就活スケジュールは、形だけのものとは言え、政府により策定されたものです。このような問題を生じた一因は、当然政府にもあるわけです。

そして、採用活動の早期化による企業側の倫理の問題が大きくなってきたことで、ここにきてようやく政府から企業(日本経済団体連合会)へ要請事項が明示されました。ただ、本来であれば、労働局長(厚生労働大臣)からすべての事業主へ通達し徹底すべき事項です。今後、「若者雇用促進法」の改正で規定化されるとは思いますが。たぶん・・・

政府からの要請事項について日本経済団体連合会のコメントがホームページに記載されていますので、その要点を抜粋し以下に記載しておきます。

相手(学生)の立場に立った配慮のある企業かどうか、自社の利益のみ追及する企業ではないか、ハラスメントのリスクのある企業ではないか。企業としての倫理・道徳感、コンプライアンス意識を見るうえで、企業の採用活動に対する姿勢は、働きやすい職場かどうかを見極めるうえでとても参考になります。

また、人事担当者は企業の顔でもあります。人事担当者がハラスメントをする企業や、ハラスメントを黙認る経営者の企業は・・・怖いですからね。

2024(令和6)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請等について(一部抜粋)

政府より経団連に対して、就職・採用活動の日程や学事日程等への配慮、オンラインの活用など、就職・採用活動を行う主体が遵守・配慮すべき事項の周知徹底について要請がございました。

各企業におかれましては、別添資料<別紙1>をご高覧の上、要請の趣旨を踏まえた採用選考活動を行っていただきますよう、お願い申しあげます。

一般社団法人 日本経済団体連合会
2023年4月11日

内容の詳細は、別添資料<別紙1>に記載されています。

採用活動に際し企業が守るべきルールと配慮すべき事項について、その要点を抜粋し以下に記載しておきます。内定(内々定)企業、選考企業の状況と要請事項とを比較してみてはいかがでしょうか。

2024(令和6)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請等について(一部抜粋)

我が国の持続的な発展のためには、若者の人材育成が不可欠であり、学生が学業に専念し、安心して就職活動に取り組める環境をつくることが重要です。
しかしながら、近年、学生の就職活動は、早期化・長期化する傾向にあることに加え、就職・採用活動の開始日より前にインターンシップ等と称して実質的な採用選考活動が実施されるなどの事態が生じているほか、就職活動を行う学生に対するハラスメントが問題となっています。これらは、学生に混乱をもたらすとともに、学業に専念する機会や、安心して就職活動に取り組める環境を大きく損なうものです。


1.就職・採用活動の日程
我が国の持続的な発展のためには、若者の人材育成が不可欠であり、学生が学業等に専念し、安心して就職活動に取り組める環境をつくることが重要です。
しかしながら、通常の学事日程に配慮して定められた広報活動の開始日(卒業・修了年度に入る直前の3月1日)及び採用選考活動の開始日(卒業・修了年度の6月1日)よりも前に、それらの活動が行われることで、広報活動及び採用選考活動が一部で早期化し、学生の就職活動期間は長期化する傾向を示しています。
こうした事態は、学生に混乱をもたらすとともに、学生が学修時間等を確保しながら安心して就職活動に取り組める環境を損なっています。

① 就職・採用活動の日程
 ・広報活動開始: 卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
 ・採用選考活動開始: 卒業・修了年度の6月1日以降
 ・正式な内定日: 卒業・修了年度の 10 月1日以降
② 広報活動の開始期日より前に行う活動は、不特定多数に向けた一般的なものにとどめ、学生の個人情報の取得や個人情報を活用した広報・採用選考活動は行わないこと。
③ 広報活動の実施に当たっては、その後の採用選考活動に影響を与えるものではないことを十分に周知すること。


2.学事日程等への配慮
学生の就職活動期間が長期化すると、学修時間等の確保に影響を与えます。採用選考活動は、広報活動とは異なり、日程や場所等の決定に関して学生に裁量が与えられているものではないため、学生の負担軽減・学修時間の確保・学事日程等に十分に配慮する必要があります。
① 面接や試験の実施に際して、土日・祝日、平日の夕方以降の時間帯、長期休暇期間等を活用するとともに、学生の健康状態に配慮すること。
② 学生の授業、ゼミ、実験、試験、教育実習などの時間と重ならないよう、採用選考活動の日時を設定すること。
③ 採用選考活動の対象となる学生に対して、事前に余裕をもって連絡を行うこと。
④ 学生のクールビズ等への配慮を行うとともに、その旨を積極的に学生に対して周知すること。
⑤ 上記①~④のほか、学生から個別事情の申し出がある場合、それらに十分配慮しながら採用選考活動を実施すること。

3.インターンシップの取扱い

またまた就活ルール変更。企業は「インターンシップ」での学生の評価を採用活動で利用可能になります。

4.卒業・修了後3年以内の既卒者の取扱い

5.日本人海外留学者や外国人留学生などに対する多様な採用選考機会の提供

6.オンラインの活用

7.成績証明等の一層の活用

採用選考活動では、学生の学業に対する取組状況が適切に評価されることが重要です。

採用選考活動に当たっては、大学等における成績証明等を取得して一層活用すること(例えば、面接時にそれらに基づいた質問を行うなど)等により、学修成果や学業への取組状況を適切に評価すること

8.公平・公正で透明な採用、個人情報の不適切な取扱いの防止の徹底

教養として身につけておきたい「採用選考と人権」の基本

9.セクシュアルハラスメントの防止の徹底

就職をしたいという学生の弱みに付け込んだ、学生に対するセクシュアルハラスメントが確認されています。

〇 採用選考活動や OB・OG 訪問対応時等において、性的な冗談やからかい、身体に接触するなどセクシュアルハラスメントを行ってはならない旨を社員に対して周知をするほか、学生からの相談に対して適切な対応を行うなど、セクシュアルハラスメントの防止のための対応を徹底すること。

10.採用選考における学生の職業選択の自由を妨げる行為の防止の徹底

就職をしたいという学生の弱みに付け込んだ、学生の職業選択の自由を妨げる行為(いわゆる「オワハラ」)が確認されています

正式な内定前に他社への就職活動の終了を迫ったり、誓約書等を要求したりすることや、内(々)定期間中に行われた業務性が強い研修について、内(々)定辞退後に研修費用の返還を求めたり、事前にその誓約書を要求したりすることなど、採用選考における学生の職業選択の自由を妨げる行為を行わないよう徹底すること。

11.学生からの苦情・相談への対応

上記のようなハラスメント行為への対応も含め、学生が安心して就職活動に取り組めるような環境づくりのため、大学・企業・政府等の関係者が学生からの苦情・相談に対応することが重要であり、企業の皆様におかれては、下記の対応をお願いします。

若者雇用促進法に基づく指針等も踏まえ、職業安定機関(ハローワーク等)等と連携を図りつつ、相談窓口の設置など、学生からの苦情・相談を迅速、適切に処理するための体制の整備及び改善向上に努めること。

別添資料<別紙1>

ここに記載されている問題に遭遇した場合、「11.学生からの苦情・相談への対応」にありますように、すみやかに学内のキャリアセンターなど就職相談窓口に相談することがまず重要です。キャリアセンターによっては問題企業の情報をデータベース化しているところもあります。そうしたところは適切に対処し、悪質な場合は、ハローワークとも情報共有し対処しています。

キャリアセンター活用のススメ

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