
こんにちは、Gene-K(@SmileWork_LAB)です。
今回は、経営理念と衰退企業との関係性についての話です。
政府が推進する新しい資本主義の要とされる「労働移動(転職促進)」において、企業(組織)の見極め方がより需要になってきます。極端に言えば、成長するのか、衰退してしまうのか。
VUCAといわれる現代では、すべての企業が右肩上がりの成長を遂げることはあり得ません。なんとなくの、なんちゃって経営陣と経営手法では、停滞はあっても成長は期待できません。当たり前ですが、今こそ企業経営にまじめさが求められます。そして、そのまじめさが経営理念に現れます。

経営理念とは
経営理念は、企業のミッション、ビジョン、バリューから構成され、企業の方向性や目標を示すとても重要な要素です。経営学者のピーター・ドラッカーもこのミッション、ビジョン、バリューといった経営理念の重要性について深く言及しています。
改めて、ミッション、ビジョン、バリューのそれぞれについて、その概要を確認しておきます。
組織が存在する目的や存在意義を表すものです。
組織の使命や何を達成しようとしているのかを明確に定義する役割があります。
将来の目標や理想的な状態を描いたものです。
組織が長期的に達成したい目標や理想像を示し、方向性を示す役割があります。
組織が重要視する価値観や信念を表します。
組織の行動や意思決定の基準となるべき原則や価値観を明確に定義することで、メンバーの行動指針や組織文化を形成します。
これらの概念は、組織の方向性や目標を明確にし、ステークホルダー(お客様、従業員、株主、地域社会等)に対して統一感や方針を提供するために活用されます。また、経営理念に共感できるか否かは、就職や転職においても重要です。経営理念が働く人の経験とスキルなどキャリアに直接影響しますので、大転職時代のこれから先は、さらにその重要度が高まります。
成長する企業の特徴
成長する企業の経営理念(ミッション、ビジョン、バリュー)の特徴について見ておきます。
クリアで具体的な目的
成長企業は、明確な目的や存在意義を持つミッションを定義します。これにより、組織全体が共通の目標に向かって協力し、一致団結した努力を行うことができます。
持続可能な競争優位性を追求
成長企業は、自社の強みや独自性を反映したミッションを持ちます。これにより、市場での競争優位性を確保し、持続的な成長を追求することができます。
インスピレーションの付与
成長企業のビジョンは魅力的で、インスピレーションを与えるものです。それは将来の成果や達成したい理想的な状態を描き、従業員やステークホルダーのモチベーションを向上します。
持続的な成長の明示
成長企業のビジョンは、単なる目標達成だけでなく、長期的な持続的な成長を追求することを示しています。それは組織が拡大し、進化することで市場や社会にポジティブな影響を与えることを目指します。
品質と顧客満足度へのコミットメント
成長企業は、品質や顧客満足度を重要視するバリューを持ちます。それは顧客中心のアプローチを促進し、競争優位性を確保するために努力します。
イノベーションと柔軟性への重要性
成長企業は、イノベーションや柔軟性を推進するバリューを持ちます。これにより、変化する市場環境に適応し、新しいビジネスチャンスを見つける能力を高めることができます。
これらの特徴を持つミッション、ビジョン、バリューは、成長企業が組織全体を統一し、目標達成に向けた取り組みを促進するのに役立ちます。
働きがいとの関係
経営理念(ミッション、ビジョン、バリュー)は、従業員の働きがいと密接な関係があります。
クリアなミッションは従業員に対して仕事の目的や存在意義を提供します。
従業員が組織のミッションに共感し、自分の役割が大局に貢献していると感じることで、働きがいを感じることができます。
インスピレーションを与えるビジョンは、従業員に将来の展望や成長の機会を提供します。
従業員が自分自身の成長やキャリアの発展をビジョンと結びつけることで、働きがいを感じることができます。
組織のバリューは従業員に共有の価値観や行動指針を提供します。
従業員が自分自身の価値観と組織のバリューが一致し、自分の仕事が組織のバリューを体現していると感じることで、働きがいを感じることができます。
これらの要素が組織の文化と従業員の関与に結びつくと、従業員は仕事にやりがいやモチベーションを感じ、より充実した職場体験を得ることができます。また、組織のミッション、ビジョン、バリューに共感する従業員は、組織にとって貴重な資産となり、パフォーマンスや成果の向上にもつながりやすくなります。
衰退する企業の特徴
衰退する企業の経営理念(ミッション、ビジョン、バリュー)には特徴があります。例えば、以下のようなものがあります。
曖昧さと方向性の欠如:
衰退する企業のミッションやビジョンは、曖昧で具体性に欠けることが多いです。組織全体で一貫性のない目標や方向性を持っているため、従業員が組織の目的や将来の方向を理解しにくくなり、なかなか実行に繋がりません。
革新性や成長志向の不足:
衰退する企業のビジョンは、革新性や成長志向が欠ける場合があります。将来の展望が限定的で、市場の変化や競争力の向上に対する取り組みが不十分であるため、企業の成長が制約される可能性があります。
価値観や文化の崩壊:
衰退する企業のバリューは、従業員やステークホルダーとの共通価値観の喪失や組織文化の崩壊を招く場合があります。組織の行動指針や倫理観(コンプライアンス意識)が欠如し、従業員のモラールやパフォーマンスに影響を与える可能性があります。
これらの特徴が経営理念に現れると、従業員のモチベーションや参加意欲が低下し、組織全体の活力や競争力が減退する傾向があります。また、組織が市場の変化や競争状況に適応できず、成果や成長の停滞が生じる可能性が高くなります。
なお、企業理念すら存在しない場合、また、あったとしても形だけで実行されていない場合や、すべての関係者に浸透されていない場合は、すでに衰退の途上にあるということです。

経営陣の能力と意識の問題
衰退する企業の経営理念(ミッション、ビジョン、バリュー)と経営陣の能力と意識には密接な関係があります。従業員は評価されるだけでなく、自社の経営陣の能力を定期的に評価することが重要です。
ミッション、ビジョン、バリューの欠如と経営陣の能力:
ミッション、ビジョン、バリューが欠如している場合、それは経営陣の能力や洞察力の不足を反映している可能性が高いです。経営陣は、組織の方向性や目標を明確に定義し、組織全体を統率する役割を果たす必要があります。
経営陣の能力とビジョンの欠如:
衰退する企業のビジョンが不明瞭である場合、それは経営陣のビジョンの欠如や将来志向性の不足を示す可能性があります。経営陣は、市場の変化や競争状況を見極め、組織の成長やイノベーションの機会を追求する能力が求められます。
バリューの欠如と経営陣の責任:
衰退する企業のバリューが欠如している場合、それは経営陣の責任と結びついています。経営陣は組織の行動指針や文化を形成し、従業員に共有される価値観を確立する責任があります。バリューの欠如は、従業員の関与や組織の信頼を損なう可能性があります。
経営陣は組織の方向性を決定し、ミッション、ビジョン、バリューを策定する役割を担っています。経営陣の能力や責任の適切な発揮は、組織全体の成果や成長に大きな影響を与えます。経営陣が適切なリーダーシップを発揮し、組織の経営理念を具体化することで、衰退する企業(事業)の立て直しや成長の可能性が高まるでしょう。

また、経営陣と従業員との信頼(エンゲージメントを含む)が欠如している職場は、経営陣の能力不足が大きく影響していることが分かります。

衰退する企業に就職しないために
衰退する企業に就職しないためには、以下のポイントに注意を払うことが重要です。
経営陣の能力と経歴:
経営陣の能力や経歴を調査しましょう。経営陣が豊富な経験や成功した実績を持ち、ビジョンや戦略を明確に示している企業に注目しましょう。
企業の財務状況と成長戦略:
企業の財務状況や成長戦略を評価しましょう。収益性やキャッシュフローの健全性、新規事業展開や市場拡大に関する具体的な計画などが重要です。
組織文化と従業員の満足度:
組織文化や従業員の満足度を調査しましょう。従業員の声や評判、働く環境や福利厚生に関する情報を収集することで、組織の健全性や従業員の働きがいを判断できます。
業界の動向と競争力:
所属する業界の動向や競争力を調査しましょう。成長が見込まれる業界や競争力の高い企業に関心を寄せることで、自身のキャリアの成長や安定性を確保できる可能性が高まります。
就職先企業の評判や評価:
就職先企業の評判や評価を確認しましょう。業界関係者や従業員の口コミ、メディアの報道などを参考にすることで、企業の信頼性や将来性を判断する材料になります。
これらのポイントを考慮することで、衰退する企業に就職するリスクを最小限に抑えることができます。

以上のように、経営理念は企業の持続的な成功において重要な役割を果たします。ミッション、ビジョン、バリューを明確にし、組織全体で共有することで、従業員のモチベーションや参加意欲を高め、企業の成長と競争力を向上させることができます。一方で、衰退する企業の経営理念の特徴や経営陣の能力との関係を理解し、就職先企業を選ぶ際には慎重に考慮する必要があります。
VUCAといわれる今の時代、これらのポイントを踏まえながら、将来性のある企業を見極め、自身のキャリアの成長や安定性を追求することはとても重要です。また、良い組織で働くことは、充実した職業生活と成果を上げるための重要な要素です。
